開業をお考えの方へ
医療機関へお勤めの方へ
<開業するにあたり、気がかりな原因・お悩み>
開業しても、「先のことがわからない!」の一言につきるのではないでしょうか。
・患者さんが何人ぐらいくるのだろうか?
・患者さんが何人きたらいくらぐらいの収入があるのだろうか?
・人件費や家賃、借入金の支払いはどのぐらいの額になるのだろうか?
などなど、今まで考えたことのないことばかりでしょうから当然です。
ここで「一般の診療所や歯科診療所の経営」というものを下記にて、お話いたします。
それらが皆様の「わからない」の回答になればと思います。
医療経営
■医療経営の特徴
○開業時に大きな設備投資
小さく始めて大きく育てるというよりは、ホテルや旅館業のようにはじめに大きな投資を行って、それを回収するといった感じの強い業種です。
○統制経済下の業種
一般医療、歯科医療、介護、すべて皆保険制度のもと社会保険による給付が中心の日本にあってはそのサービス対価の額は政策的に統一されており、価格設定の自由はないといってもよい状況です
■医療経営のポイント
①投資計画 |
来院する患者さんの人数を見極めながら投資を重ねていくという手法は 採択しにくい業種です。 レントゲン撮影をしたいけど、エコーの画像を見たいけど・・・まだ装置を 持っていませんから、他の病院で画像だけ撮ってきていただけませんか? これでは患者さんは二度と来ることはありません。 具合が悪いから今すぐなんとかして欲しいのにさらに時間を費やすなんて バカヤロー!になってしまいます。 やはりある程度モノは揃えておかなければならないのです。 それではいくらぐらいのお金をかけてモノを揃えればよいのか? その算段をすることを投資計画といいます。 |
②経営資源 |
投資計画において考えるモノとは何も医療器械ばかりではなく経営資源を意味します。 経営資源の三大要素は、 ヒト(スタッフ)、モノ(事業用家屋、医療器械等)、カネ(運転資金)です。 |
③資金調達と投資回収 |
経営資源を調達するのに必要なおカネをどのように用立てるのか? 自身の貯金の取崩し金融機関からの借入などとなります。 その用立てたお金を資本といいます。 その資本としてのお金を経営資源の調達に使った後、どのように回収するのかを 考えなければなりません。 「そう経営とはお金をモノに変え、それを使ってお金を稼ぐ、 つまり再度モノをお金に変えることなのです」 そして再度お金に変えたときに、お金が目減りしたときは損失が生じたということであり、 増えたときは利益が出たということになるのです。 |
■投資回収と経営の持続
○投資回収の結果、元のお金より増えた!
当たり前のことですが喜ばしいことです。増えたお金んのことを果実と呼びますが、果実は自由に使えます。だってあなたが経営者なのですから。海外旅行に行くも良し、ヨットを買うも良し。もちろん更なる事業拡大を目論んで高度な医療器械の調達に向けるも良しです。そして経営を永く持続させるためには、その果実が必要であることを覚えておいてください。
○投資回収の結果、元のお金より減った!
損失が出たということですね。よろしくありませんね。損失が続くともとあった資本としてのお金が目減りするわけですから・・・資本として用立てたお金が自分の貯金だったら(自己資本といいます)単に「貯金をすっちゃった」で終わりますが、
他者から借りたお金(他人資本といいます)だったら返せなくなって破産という事態になってしまいます。
■経営計画は転ばぬ先の杖
・家を建てるときに、地震や台風に耐えられるよう構造力学計算を行い、設計図を描くように、
事業経営も資本調達→投資→回収を行った結果、損失が生じないように設計図を描く必要があります。
その設計図が経営計画です。
・経営計画は簡単にいうと収入と支出のシュミレーションですが、難しいのは収入、つまり売上です。
支出はある程度自分の意思でコントロールできますが、収入は医療や介護事業の場合、受療者(患者さん)の動向の結果となりますから思いどおりにはならないからです。
医療・介護の世界は統制経済ですから診療単価はある程度決まってきます。収入予測に必要なデータは診療単価が決まればあとは患者数です。
自分の医院に一日あたり何人の患者さんが訪れるのか、その人数を予測するのが需要予測です。
(※需要予測はあくまでも予測ですから、その手法はいくつか考えられます。人口統計から算出する方法。調剤薬局等の近隣施設の集客の様子から推計する方法等々・・)
私どもの事務所では人口統計から推測する方法を採っています。
■需要予測の手法
「疾病のある方が何人医療機関で治療を受けているのか?」
幸い日本にはそれを推計するだけの統計データーが厚生労働省から公表されています。
毎年同じ統計が発表されているわけではありませんが、人が疾病にかかる割合は毎年大きく変化するものではありません。
私どもはいくつかの統計データーを組み合わせて活用することで人口当たりの患者数を推計します。
この方法で推測することにより、競合医院や周辺施設の影響を受けない基礎数値を得ることができます。
このような数値を基本に持つことは5年~10年という長い期間の計画を策定するうえでの柱となります。
■診療圏
人口当たりの患者予測数が算出できても、自分の医院の診療圏、つまり地理的にどの場所に住んでいる方が自分の医院にいらっしゃるのか?
その地図が描けていなければ来院する患者数を計算することができません。診療圏はよく半径何メートル、何キロメートルといった同心円で描かれていますが、実際の診療圏が同心円になることはまずありません。患者さんの受療行動は生活のなかの一部ですから、基本的に普段の生活地域を出ることはありません。
ということは自院の場所がどこの生活圏に位置しているのかを把握することが診療圏を描くポイントということになります。私どもは周辺住人の生活導線を考慮して診療圏を描きます
診療圏を描き、その診療圏の中に何人の患者さんがいらっしゃる・・・と推計できたとしても、その患者さんの全てが自院に来院するわけではありません。描いた診療圏に中に競合医院があればその競合医院とのシェアリングを考えなければなりません。私どもは競合医院とのシェアリングをスタッフの人員数等を評価数値化することで、患者さんの吸引力といったものを数値として捕らえることでシェアリング計算をしています。
■経営計画と実績の照合
ここまで、開業における経営計画の大切さ、その経営計画における需要予測の難しさ、そして私どもの需要予測の手法をお話してきました。
熟慮して描いた経営計画があっても、そのとおりに経営が進む保証はどこにもありません。予測にブレは付き物ですが、熟慮した経営計画のブレは許容範囲内です。そのようなブレ以外にも新たな競合医院の登場や大きな商業施設の進出、マンションや戸建住宅の大規模開発等、長い間には周辺環境も変化する可能性は大いにあります。
そのような変化にも熟慮された経営計画と正確な実績値の把握があれば、舵取りの方向を判断できるはずです。
勤務医の先生がクリニック開業に必要な「増収対策や経費削減・業務の合理化」
勤務医時代は、診療だけに没頭していても毎月安定した金額をお給料として受け取ることができますが、いざクリニック開業となると、医院での儲けは先生のものですが、赤字が発生することも大いにあり得ます。また、クリニックでの責任は、すべて経営者である院長先生に掛かかってしまいます。
安定した収入を確保するための「増収対策や経費削減・業務の合理化」を考えることも経営者となられた先生の最重要な仕事です。
また、保険請求事務や諸経費の支払、お金のやりくり(資金繰)や税務申告のための経理事務といった細かいことまでもが経営者の仕事です。
当事務所は、先生が経営者としての能力を発揮できるように身近な相談相手としてお手伝いをいたします。
特に、院長先生の不得意な「資金繰り・お金・税金」といった分野でのお役立ちに努めともに悩みを一緒に考えていくのが橋脇誠税理士事務所の使命と考えております。
具体的に、橋脇誠税理士事務所では以下のようなお手伝いをいたします。